逗子金沢内科クリニックは、「食事」・「運動」+「良い睡眠」を 治療の基本に、あなたの健康をサポートするクリニックです。
睡眠呼吸障害は心筋梗塞や脳卒中を引き起こす
睡眠中に呼吸の止まる方がいます。 初めは軽症で、年々ひどくなりますが、ほとんど日中は無症状で、たまに昼間に眠気を感じる程度です。 「寝ているときに息が止まってもいいじゃないか」──。 「昼間居眠りしたっていいじゃないか」──。 そう考える方もおられるかもしれません。 しかし、こうした症状を放置しておくと、大きなリスクを抱えたまま人生を歩むことになります。近年、睡眠呼吸障害が心筋梗塞や脳卒中(脳梗塞、脳出血)を引き起こす大きな原因であることが分かってきました。
何の症状もなく、脈が速くなり、血圧が上がります。
どうして、睡眠呼吸障害が心筋梗塞や脳卒中の大きなリスクとなるのでしょうか。 息が止まるということは、血液によって運ばれる酸素が体内で不足することを意味します。プールで溺れるようなもので、特に酸素を他のどこよりも大量に消費する脳は大きなストレスにさらされます。脳が酸欠状態になると、まず脈拍を上げ、血圧を高めることで、なんとか脳に酸素が届くよう対処します。つまり、頻脈、高血圧の状態になるわけです。この変化は夜間眠っている時だけでなく、一日中持続することが知られています。
そして糖尿病が引き起こされる
この状態が数年続けばどうなるでしょうか。一定レベル以上の脈拍数・血圧値に達すると、いくら頑張っても体内の隅々まで酸素は行き渡らなくなり、慢性的な低酸素血症となります。 慢性的な低酸素血症によって、脳の神経細胞は危機的状態に陥ります。そうすると、恐怖を感じたり、逃走しなければならないようなストレス状況で放出されるコルチゾールというホルモンが過剰に分泌されるようになります。このコルチゾールの作用によって血糖値が上昇し、高血糖が持続すればインスリン抵抗性を介して、糖尿病に至ります。
糖尿病~動脈硬化~心筋梗塞・脳卒中の連鎖
高血糖状態が長期間続いていると血管が傷つき、血流が悪化します。ダメージを受けるのは細い動脈だけでなく、太い動脈も傷つきます。そして、血管壁の傷んだ部分にコレステロールなどが溜まって内腔が狭くなったり、血管がもろくなる動脈硬化が生じます。 動脈硬化が進行して動脈が詰まってしまうと、そこから先の血流が途絶え、血液によって栄養分が供給されなくなった組織は死んでいきます。このような状態が、心臓を動かす筋肉に血液を送っている冠動脈で起きるのが心筋梗塞、脳の動脈で起きるのが脳卒中です。 糖尿病の人はそうでない人に比べて心筋梗塞のリスクが2~4倍、脳卒中のリスクが2~3倍あるといわれています。
頻脈、高血圧そのものも心筋梗塞・脳卒中の高リスク
一方、頻脈、高血圧そのものによっても、心筋梗塞や脳卒中を招きます。成人の場合、脈拍数は毎分およそ60回程度が一般的であり、このリズムによって血液の流れは「整流」となって体の隅々まで行き渡ります。ところが、脈拍が上昇すると「整流」が「乱流」に変わり、血液がよどんで、血管壁を傷つけ、動脈硬化が生じるのです。 また、高血圧も同様に血管に負担がかかる一因となります。特に夜間高血圧は心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まることが知られています。
睡眠呼吸障害は“睡眠の質”も低下させる
さらに、睡眠呼吸障害は“睡眠の質”を下げることも問題です。夜間頻尿・だるさ(倦怠感)・集中力の欠如・交通事故などの原因となります。このように睡眠呼吸障害を放置しておくと、QOL(生活の質)の低下を招くとともに、生活習慣病や命に関わる病気の発症につながるのです。
「良い睡眠」 が糖尿病・高血圧をはじめとする生活習慣病の発症防止・進展抑制に
睡眠呼吸障害の代表的な疾患が「睡眠時無呼吸症候群」です。当クリニックでは、糖尿病代謝疾患を専門とする医療チームが睡眠時無呼吸症候群や生活習慣病の治療に当たります。その理由は、睡眠呼吸障害が頻脈、高血圧、糖尿病、動脈硬化といった生活習慣病と密接に関わりあっているからです。生活習慣病の発症防止・進展抑制に、「良質な睡眠」は欠かせません。
近年、睡眠呼吸障害が頻脈、高血圧、糖尿病、動脈硬化といった生活習慣病と密接に関わっており、放置しておくと心筋梗塞や脳卒中を引き起こすことがわかっています。そして、「睡眠呼吸障害~頻脈、高血圧、糖尿病、動脈硬化~心筋梗塞・脳卒中」というドミノ倒しのような連鎖が起きやすいのが、運動不足・過食・睡眠不足に陥りがちな多忙な現代人です。 法人開設より18年間培ってきた実績と経験を活かし、“より良い医療”を“より良いサービス”でご提供します。